自分の居場所について考える 「国道沿いのファミレス」書籍レビュー リンユーの東伏見日記vol.9

こんばんは、リンユーです。

映画レビューもひと段落、そろそろ別の記事も書いてみたいなあなんて思いまして、今回は初の書籍レビューに挑戦します!

最初なので、今回は僕がとても好きな小説を選びました。それは…

 

国道沿いのファミレス/畑野智美

です!

2010年に、第23回小説すばる新人賞を受賞された作品で、畑野さんのデビュー作でもあります。

ジャンルとしては恋愛小説で、集英社から文庫版が発行されています。

以下、ネタバレを含みます。

 

国道沿いのファミレスの魅力

大人になってまで恋愛小説を読むのはちょっと…と思ったそこのあなた!そんな方にこそ、呼んでほしい小説がこの「国道沿いのファミレス」なんです。

主人公の佐藤善幸は結構、いやかなりのいわゆるクズ男です。恋愛観もめちゃくちゃだし、なんだか捻くれてるし… なんだかあなたの周りにもいそうな、リアルな人間が主人公であることでキラキラした恋愛小説に疲れた方も楽しんで読むことができると思います。

 

そして彼の人生、全くうまくいきません。これ以上は根幹に関わるネタバレになるので伏せますが、それはもう、自分のせいでも他人のせいでも様々な災難が降りかかります。親、恋愛、仕事でのトラブルなどなど、なんだかリアリティがあって、自分の友達のことのように錯覚してしまったら、あなたはもうこの作品を最後まで読まずにはいられないはず。

 

そんな善幸を支えるのが、今回のブログの題名にもなっている「自分の居場所」です。

 

自信を持ってここだと言える自分の居場所、家でも、職場でも、なんなら友達1人でも構いません。

そう言った居場所が、辛いことがあった時に輝いて見える、そう言ったことがこの小説のテーマだと思います。

 

そう思って読み終わった後には、きっとあなたも自分の居場所を大切にしたいと思うはず。まるで友達のような親しみやすさを感じる主人公が、自分の居場所を再確認する姿をみて、なんだか心がほっこりする、そう言った作品になっています。

 

畑野智美さんは他にも小説を多数出されていますが、その中でも自分がお勧めするのがこの「国道沿いのファミレス」と短編集「海の見える街」です。

「海の見える街」も素晴らしい作品なのですが、それについて触れるのはまたの機会に。

 

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ではまたお目にかかりましょう。

新しい自分の居場所、東伏見から愛を込めて